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四井真治さんの暮らしを訪ねて、いのちとは・生きることとは何かを考える。Tiny House Workshop DAY11-12-13

こんにちは!Homemade編集部の日菜子です。

残暑の9月。暑い暑いと言って過ごす季節は、あっという間に過ぎていきます。
そんな9月16日、17日、18日、Tiny House Workshop2023のDAY11-12-13が行われました。

Tiny House Workshopは、ひとつのタイニーハウスをみなで手を動かしながらつくるなかで、それぞれが持ち寄った問いを探求していくプログラム。9月のワークショップでは、初日にパーマカルチャーデザイナーの四井真治さんを訪ね、2.3日目は外装・内装の作業を進めました。

いのちは、続く仕組み。人が地球に生きる意味は、なんだろう。

パーマカルチャーデザイナー/ソイルデザイン代表の四井真治さんは、Homemade Villageがある同じ北杜市にお住まいで、かれこれ10年以上、暮らしを通じた生活実験をされています。

「こんにちは。さて、今日は何を話そうか笑。じゃあみなさん、いのちって何だと思います?」

そんな問いかけからはじまった、四井さんのお話。

普段感じている問いとはまったく違う角度、深さの問いをなげかけられて、ポカーンとしてしまう私たちでしたが、少しずつ四井さんの話すリズムに引き込まれていきます。

四井さん一家の住まいは、母屋のほかにも畑・ビニールハウス・DIY小屋・堆肥舎などなど、見れば見るほど「おお…これぞパーマカルチャー的な暮らしか…!」と感じます。

しかし、本当に大切なことは、見える部分ではなく、四井さんが探求してきた「原理」にありました。

「僕は、パーマカルチャーと接するうちに、原則はあるけれど、原理がないことに気が付いたんです。

つまり、こうすればいいという考え方のルールはあるけれど、なぜそうするのか?という根源の部分が語られてないと。それを探求するために、暮らしのなかで実験を積み重ねているんです。」

四井さんの口から出てくる原理という言葉とその解説。すべては拾い切れないのですが、私なりに解釈をしてみます。

いのちとは、続く仕組みである。
続く仕組みをつくるためには、人はエネルギーを集める必要がある。
食べ物、光、水、暮らしに必要な材料を集めて、手をかけて。
生み出されたものを食べたり、食べられないものは堆肥にして戻したり。
その循環は、地球に生きるほかの生き物と同様に、生態系の循環の一部になれている。
逆に言うと、現代の人の暮らしは、集めては捨て、外に垂れ流している。
だから、続けることがむずかしいと、きっとみんな心のどこかで感じている。

四井さんを訪ねて、自分でつくる・自分で直すという行為の美しさを感じました。同時に、今回のワークショップを通じて、私にもできるスキルが少しずつ身についていると。

暮らしに、どれだけの愛情を注げているだろうか。すてきなものを買ったり、おいしそうなものをつくったりするのもいいのだけれど、それは暮らしのほんの一部だったと気が付きました。

いかに自分たちの暮らしを通して、地球の循環にプラスな影響を与えられているだろう。
影響をなくすのではなくて、人だからこそできる、プラスな影響を。

筆者の私はちょうど新築を建てるタイミングで、最初はぜんぶ大工さんにお任せする気持ちだったのですが、だんだんと私も何かやりたい!と思うようになりました。

どうしたら、より自然と調和した暮らしができるデザインになるだろう。雨水はどうやって貯めよう、ガーデンはどう何を植えよう、竹はどう活用しよう…。

捨てる、流す、埋める、の前に、どうしたらうまくつかっていけるのかを考えようと、改めて思っています。

そこから新しいなにかに生まれ変わったり、他の人との出会いで思わぬものが生まれたりするのは、まさに人ならではなのではないかと。そうできるなら、私たちはもっと、生きることにポジティブでいい。

四井さんの暮らしを訪ねて、生きることに前向きな気持ちになれた自分に、気が付きました。

青の外壁、無垢のフローリングを、一枚一枚貼っていく!

ワークショップの2日目、3日目は、1日作業を進められる大事な日。10月のお披露目に向けて、ラストスパートをかけていかなければ!と、みんな気合十分です。

2日間とも主な作業は、外壁を貼ることと、内装のフローリングを貼ること。どちらも、一枚ずつの板を必要な長さに切って貼っていく作業です。

と、言葉にすると簡単に聞こえるのですが、実際は細かな調整が必要でなかなか前に進みません…。

外壁は、車輪があったり窓枠があったりする部分をよけながら必要な寸法を割り出すのに苦戦。内装はフローリングの最後の一枚がピタッとハマるように微調整するのに苦戦。

作業を実際にやってみると、改めて職人技のすごさを感じます。

大変さもある一方で、だんだんと自分たちで考えながら進められるようにもなって、チームワークも一段と深まって。ここまで約半年やってきて、よいチームができてきていることを感じました。

さあ、いよいよ次回10月がお披露目会!
どこまで完成に近づけることができるのか、お楽しみに。

写真:kota
文:日菜子