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“みんなでつくる”タイニーハウスと、小さくてしなやかな暮らしの探求をはじめよう。 Tiny House Workshop 2023 DAY1 レポート

「Tiny House(タイニーハウス)」

その言葉に惹き寄せられて、全国津々浦々から集まった15名。

タイニーハウスとは、どんなものなのか。
小さくてしなやか暮らしとは。
自分が人生に求めるものは…?

Tiny House Workshopは、ひとつのタイニーハウスをみなで手を動かしながらつくるなかで、それぞれが持ち寄った問いを探求していくプログラムです。

2023年4月29日土曜日、新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となった「Tiny House Workshop 2023」が、いよいよ始動。その様子をお届けしていきます。

書き手は、北杜市在住の編集ライター・森野日菜子です。タイニーハウスとの出会いはつい1か月前、見た目のかわいらしさと機能性を知って、いつか自分の暮らしの一部にタイニーハウスがあったらいいな、と思うようになりました。参加者のみなさんと同じ目線でWorkshopに参加しながら、みなさんの表情や空気感を記事を通してお伝えすることができたらと思っています。

 

HOMEMADEプロジェクトと、タイニーハウス

HOMEMADEプロジェクトは、山梨県北杜市を拠点に活動するクリエイティブチーム TREEHEADSによる、タイニーハウスを起点にした小さな暮らしの研究プロジェクト。

タイニーハウスに暮らす人々の「小さくてしなやかな暮らし」や、そこで生まれるコミュニティのよりよい形を探求しています。

その一環として2014年からはじまったのが、Tiny House Workshopです。10~15名のメンバーが集まり、みんなで1つのタイニーハウスをつくっていく。そのなかで、ものづくりの基本、タイニーハウスをセルフビルドするための知識と経験を学ぶことはもちろん、自分にとって理想の暮らし、生きる中で大切にしたいことはどんなことなのかを探していく、約半年間のプログラムです。

プログラムのメンバーは、TREEHEADSのメンバー、大工さん、タイニーハウスにまつわる先生たち、そして参加者。様々なバックグラウンドをもつメンバーたちが、描き、手を動かしながら、少しずつタイニーハウスをつくりあげていきます。

完成したタイニーハウスはHomemade Villageに置かれ、つかい手にとって“等身大の”暮らしを体感する、そんなきっかけになることをイメージしています。

 

DAY1 12:00PM 全国から集まったメンバーと、初めての顔合わせ

Tiny House Workshopの初日、メンバーが初めて顔を合わせる時がやってきました。

長野、東京、神奈川、千葉、兵庫、新潟。拠点も違えば、性別、年齢、仕事もさまざまなメンバーが集まりました。一部、コロナ禍でキャンセルとなってしまった前回のTiny House Workshopから再び参加してくださった方も。

みなさん、何をきっかけにタイニーハウスを知り、このワークショップにたどり着いたのでしょうか。自己紹介を聞きながら、少しずつお互いのことを知っていきます。

「ツリーハウスをきっかけに、タイニーハウスを知りました。」

「農的暮らしのきっかけとして、タイニーハウスに興味を持ったんです。」

「等身大の自分らしい暮らしや、自分でつくることを体感したいと思いました。」

「自分で家がつくれたら、すごくいいと思って!」

「3.11をきっかけに自分の生命力に疑問を持って、その後に映画『simplife』に出会いました。」

「スウェーデンまでタイニーハウスを見に行って、日本で学ぶならここだと思って、来ました。」

…などなど、ひとりひとり自己紹介をして一周まわるころには、お互いの顔と名前もわかり、ほっこりとした空気になりました。

 

DAY1 13:30PM TREEHEADS・竹内さんによるイントロダクション

竹内さん

「ひみつ基地って、自分が自分でいられる場所だと思うんです。大好きな自分でいられるというか。」

TREEHEADS・竹内さんによる、イントロダクション。ツリーハウスをつくるためにDIYをはじめ、大工の技術を身につけていった竹内さんは、これまで13年間で、64個のひみつ基地をつくってきました。

外見の形にこだわらず、わくわくする心と「こんな遊び方をしたい」という気持ちがあれば、そこはひみつ基地なんだと言います。

現場をまわりツリーハウスをつくる日々のなかで、「自分の部屋を動かせたらいいのに…」と思ったことをきっかけに、タイニーハウスと出会います。そのころすでにタイニーハウス・ムーブメントが起きていた米国の事例を知り、そのなかでもDee Williamsさんの生き方・考え方に感化されたと言います。

2015年春、タイニーハウスを探るために米国へ渡りパイオニアたちを訪ねながら取材。その様子は、映画「simplife(※1)」で観ることができます。

竹内さん

「タイニーハウスは、フィジカルな面での小ささや動かせることだけを定義にしているのではなくて、大切なものを集めることや、手作りをすること、人生に合わせてしなやかに変化させることといった要素を含んでいると思っています。

パイオニアたちの暮らしや彼らの心境の変化を知って感じたことは、タイニーハウスに住むことがゴールではなく、あくまで通過点であるということ。タイニーハウスをツールとして自分にとって豊かな暮らしを探求することが、大切な要素なのだと思っています。」

※1:映画『simplife』は現在、Vimeo・自主上映会・DVDなどで鑑賞することができます。詳細はこちら→ simp.life

 

DAY1 15:00PM Homemade Villageツアー

Homemade Villageには、3つのタイニーハウスと、温室、12個の野菜用ベッド、ハーブガーデン、堆肥づくりのスペースがあります。

ゆくゆくはタイニーハウスに宿泊できるようになり、キッチンや水回りがあるコモンハウスや、DIYができる作業場もみんなでつかいながら、「身の丈の暮らし」を体感することができる場所になるように構想されています。このビレッジ内に、今回のTiny House Workshopでつくられたタイニーハウスも置かれる予定です。

▽Homemade Villageのイメージ

 

DAY1 15:30PM 自分の理想のタイニーハウスを描いてみる

竹内さん「ひとり1つスケッチブックを持って、自分の思うタイニーハウスを描いてみてください。」

スケッチブックと鉛筆を渡され、少し戸惑いつつも書き始めたみなさん。いつのまにか静かになって、それぞれ自分の世界に没頭していました。

さてさて、どんなタイニーハウスを描いたのでしょうか。

 

DAY1 16:00PM 描いたタイニーハウスをシェアする

「自分はスキー場に2週間とか泊まりたくて。雪が自然と屋根から落ちてほしいな~と考えました。」

「薪ストーブと、音楽があればそれだけでいい。いい音が聴けるように反響する丸い屋根にしました。」

「サーフボードと一緒に旅ができる、そんなタイニーハウスが欲しくて。」

「自分のアトリエを考えました。本当は、シルクスクリーンとかをやりたいんです。私みたいに、新しいことをはじめたい人のためのタイニーハウスです。」

「今日のこの時間で、改めて自分はだれのためにタイニーハウスをつくりたいのか?と考えることができました。」

 

みなさんの描いたタイニーハウスには、大切にしたい一つのものが真ん中に置かれて設計されていて、どんなことをするための空間なのかが、はっきりと伝わってきました。

小さいからこそ、一番欲しいもの、本当に欲しいものを中心に据える。そのためには、つかい手はだれなのか、つかい手が求めるものは何なのかという想像が大切なのだと、みなさんから教えていただきました。

タイニーハウスについてだけでなく、自分の求めるものにも考えをめぐらせた初日。ここから、約半年間のプログラムがはじまります。

半年後に私たちはどんな景色を見ているのか、読者のみなさんもどうぞお楽しみに。

次回は、実際にDIYをはじめる初回ワークショップのレポートをお届けします。

 

写真:kota @goodsense.hata

文:日菜子 @soilship