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大工の技が、日本の森を守る。生きた”ものづくりの基本”を身につけよう。Tiny House Workshop DAY3-4

こんにちは、HOMEMADEプロジェクト編集部の日菜子です。

HOMEMADE Villageのある山梨県北杜市は、標高800~1000mあり夏でも涼しい高冷地。5月のGWごろになるとようやく寒さが抜けてきて、ふとしたときに自然の芽吹きを感じる、そんなエネルギーあふれる場所です。

日中は汗ばむ陽気となった5/27.28、Tiny House Workshop2023の第2回目が行われました。

Tiny House Workshopは、ひとつのタイニーハウスをみなで手を動かしながらつくるなかで、それぞれが持ち寄った問いを探求していくプログラム。第1回目となった前回は、メンバーの自己紹介からはじまり、手道具の使い方を学ぶ2日間を過ごしました。(第1回の様子はこちらから)

今回から、実際にタイニーハウスを組み立てていく作業がスタート!
2日間で、床と壁の構造をつくります。大工仕事をレクチャーしながら主導してくれるビルダーのみなさんも参戦し、いよいよ「タイニーハウスをつくる」フェーズに突中です。

大工さんの使う「寸」「尺」に慣れないと…!

1か月ぶりに顔を合わせた、Tiny House Workshop2023のメンバー。久しぶり~と話ながら、しっかりとラジオ体操をしたら、各自道具を身に着けて作業開始です。

今回は、床をつくるチームと、壁をつくるチームの2つに分かれて作業を進めます。
チームごとに図面を確認しながら組み立てるときのイメージを湧かせつつ、切り出す材の長さや本数を計算。

ほとんどのメンバーが本格的な図面を見るのは初めてだったので、単位や図面の読み解き方から教わります。

「3寸は約9cm。3寸角の材と言ったら、この角材のことを指してます。」
「国産材の規格と、海外の規格が違うので要注意。このワークショップでは国産材を使うので、せっかくなので単位にも慣れてみてください。」

数学…ではなく超基本的な算数なのですが、数字が苦手な私の頭は大混乱。メンバーから「ここがインゴだね。」と図面の寸法をフォローしてもらいながら、どの長さの材を切り出せばよいのかを確認することができました。

生活では出会わないような専門用語が多く、しかもどれもが日本語なのにパッと理解できないような単語たち。

いかに大工という職業が古くから脈々と続いてきて、独自の慣習を持っているものなのかを感じさせられます。

大工の生きた技を教えてくれる、ビルダーのみなさん

Tiny House Workshopで、メンバーにタイニーハウスづくりを教えてくれたり、ときに大工仕事を進めてくれたりしているのは、普段は自分の地域で活躍をしているビルダーのみなさん!

ビルダーの小田切さん、本間さん、ガンちゃん、あつさん、オリーさんは、普段は飲食店や住宅の設計、建築、木工、林業に携わっている熟練のプロ。だからこそ、大工仕事の進め方、木の見方、使い方など、生きたものづくりの技術を教えていただくことができます。

小田切さんは、都内で設計に長年携わった後、宮大工の技術を身につけ、山梨県を中心に様々な飲食店や住宅の建築を行う「甲斐の匠おだぎり」の親方。Tiny House Workshopでも大工仕事のいろはや豆知識を丁寧に教えてくれながら、最後はその背中ですべてを語ります。

イギリスから日本に移住し「甲斐の匠おだぎり」で大工として働くオリーさんも、日々親方や現場から学ぶことを、私たちに教えてくれます。

オリーさん
「やっぱり親方は、まわりの大工さんとはぜんぜん違います。お施主さんの人柄をよく理解して、その人にとって一番いい形の建物をつくろうという思いがある。大工目線でのつくりやすさだけじゃなくて、しっかりと見た目も重要視する。

大工の技術や考え方もすごいので、自分や現場の大工さんが”これはどうやってできるんだろう?”と思うことでも、親方から”こうやればいいよ”と教えてもらった通りにやると、本当にうまくいくんです。

自分も大工をはじめた最初の2か月くらいは、手が筋肉痛で大変でした。でも今ではそういうこともないから、みなさん今しんどくても大丈夫。慣れますよ。」

Tiny House Workshopの作業の時間は、ビルダーさんの温かい声かけのおかげで、いつも和気あいあいとした雰囲気。

でもきっと、ビルダーのみなさんはこれまで何年も何年も技術を学んで、日々の現場では厳しいこともありながら、いま私たちに教えてくれているんだと思うと、もっともっと吸収したいという気持ちになります。

森から木へ、木からタイニーハウスへ。

あつさんは、2010年にツリーハウスのワークショップに参加してから、本業の林業の傍ら、小屋を建てたりTREEHEADSの現場をサポートしたりと、ものづくりにも関わり続けています。

あつさん「こうやって、森とものづくりの現場とを行き来できると、視点も変わります。たとえば、自分がタイニーハウスをつくるなら、できるだけ無駄になる材がでないようにと考えてから、木を切ることができる。
自分もみなさんと一緒で、大工仕事はまだまだなので、現場でほかの大工さんから教わっているんです。」

第2回のワークショップでは、材を切り出す場面が多くありました。そういうとき、まずは木材が曲がっているかどうか、どのように切り出したらうまくつかうことができるか、見て考えるようにと教わります。

その理由は、木には曲がりがあり、それをつかえる技術こそが大工の技だから。

あつさん「林業は、子育てと同じだと思ってて。人が木を植えた森は、手をかけて育てていかなければいけないんです。
その一方で、最近はどんどん、国産材が使われなくなっていて、森も荒れ始めています。その理由は輸入材の存在もありますが、技術のあるつかい手がいないというのもあると思います。」

小田切さん「そう、木を見て、その木をいかすように使える大工がいないと、ちょっと曲がっているだけで”つかえない”ということにしてしまう。そういう意味で、大工の技術を高めていかないといけないし、技術あるつかい手の存在が森を守ることになると思います。
このTiny House Workshopでは、竹内くんの思いで国産材のみを使っているから、みなさん国産材の扱い方も学んでくださいね。」

木材は、ホームセンターで生まれるものではなくて、そこにたどり着くまでには「どこの森から来たか」という背景がある。ついつい、目の前の作業にばかり気が行ってしまうところですが、ビルダーのみなさんの言葉を聞くと、はっとさせられます。

森や木や建築に日々関わっているビルダーのみなさんだからこその思いや、伝えたいことがある。技術と同時に、つくることの周りにある大切なことも、Tiny House Workshopを通じて学ぶことができています。

これからのレポートでも、ビルダーのみなさんをご紹介していくので、お楽しみに。

床と壁の構造が完成!

第2回のワークショップでは、無事に床と壁の構造をつくることができました!
みんなで壁を立てて、組み合わせ、中に入ってみたり遠目から見てみたり。

小さな木材から、こんなに大きな空間ができるなんて。
そんな感動が、メンバーのみなさんのあいだに広がっていました。

次回は、屋根と窓をつくっていきます。

写真:kota @goodsense.hata
文:日菜子 @hinakomugi